空中表現の新たな進化が始まります。情報がフラットなソリッド面から空中に解き放たれた時、何が起きるのでしょうか? 私たちは、その問いに向き合い、空中ならではのOSや各種デバイスの開発も視野に入れています。
AMT(Aerial Multiple Tuning)
AMT技術とは、光源となるモニターや光学プレートなど様々な光学ファクターを、使用環境に合わせ総合的に最適化することで、明るく鮮明な映像を空中に結像する技術です。空中に映像を結像させる方法は、再帰反射プレートとハーフミラーを組み合わせる方法、直交ミラーアレイを用いる方法など古くから存在しますが、現行のFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)と同等以上に、明るく鮮明な映像を空中に結像させることが困難でした。そのため用途が限られ、本格的な普及には至っていない状況です。AMT技術は、光学プレートの高品位化のみならず、画質の根幹となる光源(映像を生成するディスプレイ)をデバイス構造から見直し、高輝度化に伴い生じるモワレ、迷光、虚像等、画品位を劣化させる複合因子を構造内部から抑制しています。同時に画作りとして小型から大型サイズまで、光学系を最適にチューニングすることで、使用環境を選ばず、明るく鮮明な空中映像を可能としました。本技術の開発により、今まで非接触スイッチ用途などが主流であった空中映像技術の活用シーンを飛躍的に高めます。今後は、更なる高画質化を目指し、一歩先を進んだ量子力学的なアプローチも含め新しい空中結像方法などにも取り組んで行きます。
Sensing
鮮明な空中映像に対してのアプローチは、今まで誰も取り組めなかった分野です。私たちは、赤外線や各種撮像を利用したセンサーをベースに、鮮明な空中映像ならではのトラッキング方法を開発しています。また特殊なレンズを用いたセンシングも計画しており、今後は、空中コンピューター独自のデバイスの開発も目指します。
Aerial gesture
投影されたオブジェクトとトラッキングされたジェスチャーを連動させることにより、表現の世界を広げます。オブジェクトにより最適なジェスチャーを創造することは新しいインターフェースの基礎を築くことになります。世界中の日常習慣や言語による違いなども含め未来を見据えたユニバーサルな領域での開発です。(空中コンピューターのロゴのジェスチャー)